ウレタン防水とは

ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて、化学反応で硬化させることで、ゴム状で弾性のある継ぎ目のない防水層を作り上げる工法です。
液状の材料を使って現場で仕上げるため、複雑な形状をした場所にも密着させることができ、マンションの陸屋根・戸建ての屋上・ベランダ・バルコニー・室外機や配管の架台まわりまで、幅広く対応できます。
日本で最も採用されている塗膜防水で、2021年度の総出荷数量は80,000tを超えています。
定期的なトップコートの塗り替え(5〜7年ごと)を行うことで、長期にわたり高い防水性能を維持できます。
ウレタン防水を詳しく説明
ウレタン防水とは、マンションや陸屋根などの平らな屋上・ベランダ・バルコニーに行う防水工事のひとつです。
液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることでつなぎ目のない防水層を形成し、雨水の浸入を防ぎます。
施工性が高く、既存の防水材の上から重ね塗りができたり、室外機の架台や配管・複雑な形状の屋上でも施工できるなど、メリットが多く、最も主流の防水工事です。
5〜7年ごとにトップコートを再塗装することで、15年程度、防水効果を保持できます。
ウレタン樹脂は「柔らかい・弾力がある・摩耗性に優れている」素材としてスポンジや車のタイヤ、接着剤などにも活用されている身近な素材です。
ウレタンを防水層として利用し始めたのは1966年以降で、改良を重ね続け、高い防水機能を誇る工法に発展しました。
現在ではシート防水との複合工法や、高強度のスプレー吹き付けウレタン防水(屋上駐車場など)もあり、施工箇所の特性に応じて使い分けられる優秀な工法です。
ウレタン防水のメリット
- FRP防水に比べてコストが安い
- 材料が弾性なので地震のゆれに追従し、ひび割れがしにくい
- あらゆる下地に接着しやすい(コンクリート/モルタル/金属/既存防水層 など)
- 改修や塗り重ねが容易
- 液状のため、複雑な形状の屋上・バルコニー・室外機まわりでも継ぎ目のない防水層が作れる
- トップコートの塗り替えだけでメンテナンスでき、長期的にコストを抑えられる
ウレタン防水のデメリット
- 各工程で乾燥期間が必要なため、工事期間が長くなる
- 人の手で塗るため、完全に均一な膜厚にするのが難しい
- 職人の腕によって仕上がりが左右される
- 紫外線に弱いため、定期的なトップコート塗り替えが必要(5年に一度が目安)
- 下地に水分を含んでいる場合、そのまま密着工法で施工すると膨れの原因になる(→通気緩衝工法を推奨)
ウレタン防水の工法の種類
X-1工法(通気緩衝工法/絶縁工法)
下地に水分が残っている場合や、既存防水層の上に改修する場合に使われる工法です。
通気緩衝シートを下地に貼り付け、脱気筒(脱気盤)で下地内部の水蒸気を屋外に逃がしながら、ウレタン防水層を形成します。
下地の挙動が防水層に影響しにくいため、長期にわたり剥離や膨れを防げます。
10年保証対応(但し、5年に一度トップコートのみ塗り替え)。
X-2工法(密着工法:クロスあり)
プライマー塗布→補強布(クロス:ガラス繊維や不織布)の貼り込み→ウレタン樹脂2〜3回塗り→トップコートの順で施工する工法です。
クロスがあることで、ひび割れへの追従性と耐久性が向上します。
5年保証対応。
密着工法(クロスなし)
プライマー→ウレタン樹脂2〜3回塗り→トップコートというシンプルな工程。
下地が比較的良好な場合や、小面積のベランダなどで採用されます。
機械固定通気緩衝工法(近年の技術)
近年開発された新しい工法で、下地へのビス打ち込みで通気緩衝層を固定することで、従来は施工が困難だった下地でも対応可能です。
ウレタン防水の施工方法(通気緩衝工法の例)
- 01
下地の清掃・ケレン・不陸調整
既存の塗膜の粉化部分を高圧洗浄・ケレンで落とし、ひび割れや凹凸を補修します。
既存がポリマーセメント系防水など特殊下地の場合は、専用プライマーかカチオン系下地調整材(C-1工法)を使用します。
- 02
プライマー塗布
下地とウレタン防水層の密着力を高めるためのプライマー(下塗り材)を均一に塗布します。
- 03
通気緩衝シート張り込み・脱気筒設置
通気緩衝シートを下地に貼り付け、立ち上がり部・入隅・ドレンまわりを処理します。
下地水分を屋外へ逃がす脱気筒(50㎡〜100㎡に1ヶ所程度)を設置します。
- 04
ウレタン樹脂 1層目
ウレタン樹脂を規定の膜厚になるように均一に塗布します。
- 05
ウレタン樹脂 2層目
1層目の硬化後、2層目を塗布して規定膜厚を確保します。
- 06
トップコート
紫外線・摩耗から防水層を守るトップコートを塗布して完了です。
ウレタン防水の不具合と補修
膨れ:下地水分がウレタン層の下で蒸発して防水層を押し上げる現象。
通気緩衝工法への改修で対策。
ピンホール(小さな穴):塗布時の空気抜け不良などで発生。
発見したら早期にウレタンで補修。
トップコートの剥がれ・色あせ:経年劣化によるもので、5〜7年ごとのトップコート塗り替えが必要。
ひび割れ・破断:膜厚不足や下地のひび割れ追従不可が原因。
部分補修または全面改修で対応します。
